羽村市の動物病院

はむら中央動物病院

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心 エ コ ー 検 査

ワクチン接種などの聴診時に心臓に雑音が確認されたり、咳などの心臓病の症状が有り心雑音が有る場合に検査をお勧めしています。犬の場合は、ほとんど僧帽弁閉鎖不全症という病気です。心エコー検査により、重症度を判定し投薬治療の必要性の有無などを判断します。

柔らかいエコー検査台に右胸を下にして寝かせ、下方から右胸壁にプローブを当てて図のような右傍胸骨長軸四腔断面像を描出し、僧帽弁の形や閉鎖状態、左心房の大きさなどを観察します。次にカラードップラー法により左心房や右心房などに逆流が無いかを観察します。

僧房弁の形状

僧帽弁逆流
 

左心房内の虹色の部位が逆流血流で、病状が進行すると逆流量が増加し左心房が大きくなってきます。

次に右傍胸骨短軸像を描出し以下の計測をおこないます。

LA/AO(左心房・大動脈比)

病状が進行すると左心房は大きくなってきますが、大動脈の直径は変化しません。そこで、左心房径を大動脈径で割った数値をLA/AOといい、左心房の拡張の指標になります。正常な犬では、1.5以下です。この症例では2.25で重度の拡張を起こしています。


FS(左心室内径短縮率)
 

左心室の収縮機能を評価する指標で、収縮機能が低下していれば低値を示し、亢進していれば高値を示します。正常な犬の場合35~45%です。僧帽弁閉鎖不全症の犬の場合は、45%以上を示している場合が多く、更に進行し心筋障害が生じると低下してきます。この症例では、50.4%で高値を示しています。

次に左胸を下にして寝かせ、左胸壁にプローブを当てて図のような左傍胸骨長軸四腔断面像を描出します。

E/A(左室流入波形)

パルスドップラー法を使用して、心臓の拡張機能を評価する指標です。 一番目の波形は拡張早期の左心室弛緩に伴うE波、二番目の波形は拡張後期の左心房収縮に伴うA波からなります。拡張機能が正常であれば、E波は80cm/秒前後で、E/A>1(E波がA波より高い)を示します。拡張機能が低下してくれば、E波は低下してきて E/A<1(E波がA波より低い)を示します。更に拡張機能が低下してくるとE波は上昇してきて、正常時との区別がつかなくなります。この場合は、組織ドップラー法を使用して鑑別を行います。更に拡張機能が低下してくるとE波は増高しE/A>2を示します。E波が120cm/秒以上になると、肺水腫になる危険性が高くなります。

E波 89.7  A波 64.3   E/A 1.40
拡張機能は正常

E波  46.7    A波 69.4   E/A 0.67
拡張機能は低下

E波 150.4    A波 74.1   E/A 2.03
拡張機能は重度に低下しており、肺水腫を発症していました。(この症例は、呼吸状態が悪く横に寝かせると危険なので立位のまま心エコー及び肺エコー検査をおこないました。)

 

上記症例の治療前の肺エコー像です。肺水腫を起こしていると、1視野に3本以上のBライン(白い線)が確認せれます。レントゲン検査を行うのが危険な症例では、安全性の高い有用な検査法です。

幸い、この症例は肺水腫から回復することができました。肺エコー像では、Bラインは消失しています。

僧帽弁逆流波形

続波ドップラー法を使用して、僧帽弁逆流速度やdp/dtを計測します
僧帽弁逆流速度は左心房圧の推移を評価するのに使用し、正常値としての評価はしません。(500cm
/秒以上有れば左心房圧は、それほどたかくないだろうという位の評価)同一症例において、速度が低下してきているようなら左心房圧が上昇してきていると評価します。dp/dtは、心臓の収縮力の評価に使用し、正常値は、1200mmHg以上と言われています。

 

僧帽弁逆流速度  569.2cm/秒
dp/dt  1334mmHg


 

 

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