羽村市の動物病院

はむら中央動物病院

〒205-0003 東京都羽村市緑が丘1-5-22                   
                               
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犬の大動脈血栓塞栓症

大動脈血栓塞栓症とは、おもに腹部大動脈分岐部に血栓が詰まって後肢の血流悪化が起こり、後肢の不全麻痺を起こす病気です。殆んど心筋症の猫が発症します。犬での発症はかなり珍しく、原因となる基礎疾患は、蛋白漏出性腸症、蛋白漏出性腎症、心疾患、副腎皮質機能亢進症、腫瘍、糖尿病などといわれています。

症例

 群発性てんかん発作の治療をおこなっているミニチュアダックスフンド(雌13歳)が、数日前から痙攣発作を起こした後、右後肢を痛がっていたが、両後肢が動かなくなり泣いているため来院されました。犬種から椎間板ヘルニアを疑いましたが、右後肢に冷感が有り、股動脈の拍動が蝕知できなかったためエコー検査を実施しました。右後肢大腿部には、わずかな血流しか確認出来ず、腹部大動脈内に血栓が形成されていて後肢に向かう血流がほぼ遮断されていました。血栓による塞栓は慢性経過と思われたため、血栓溶解療法は行わず、下記の血栓予防療法を行いました。

 

低分子ヘパリン(抗凝固剤)5日間投与

クルピドグレル(血小板凝集阻害剤)継続投与

ブトルファノール(鎮痛鎮静剤)5日間投与

ブプレノルフィン(鎮痛剤)5日間投与

LR末Ⅲ(ミミズ乾燥粉末) 血栓予防・溶解作用が有るといわれるサプリメント 継続投与 

エコー画像

診断初日

5日後

クルピドピレル・LR末Ⅲ投与を継続投与し、右後肢への血流は改善されてきましたが、残念ながら肢端部は虚血性壊死を起こしたため切除しました。その後順調に経過していましたが、治療20日後に再塞栓を起こしてしまいました。再度低分子ヘパリン・ブトルファノール。ブプレノルフィンの投与を行い、さらにLR末Ⅲを増量しました。

再塞栓後の血流の経過

再塞栓後の血栓の形・サイズの経過

今のところ患犬は元気で後肢も動かせるようになり、血栓は徐々に先端の形を変えながら縮小しています。今後、無事に血栓が消失するように、飼い主様と協力し治療を継続していきたいと思います。

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